飛ばない豚

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映画「機動戦士 閃光のハサウェイ」

gundam-hathaway.net

※ネタバレありなのでまだ観てない人は劇場へ

そう言えば、先週の日曜日にコロナ禍の中で申し訳ないが、閃光のハサウェイを劇場に観に行って来ました。

初めて4Dで観たのですが、すごかったです。

席揺れまくり、煙に風になんかの匂い。

最近の液晶TVの巨大化にオーディオ機器の進化で、もう映画館行く意味ないかもとか思っていた私ですが、もう少し洗練されたらわざわざ劇場で観る意味が、ふたたび発生するのでは無いでしょうか。

未体験の方はこの際ぜひ!

原作小説とは設定が違う

閃光のハサウェイは原作は小説です。

1989年頃の作品ですね。

ガンダム内の歴史では「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン (角川スニーカー文庫)」の後の話になります。

ただ逆襲のシャアも一つではなくて、上記のベルトーチカと「機動戦士ガンダム ハイ・ストリーマー 文庫 1-3巻セット (徳間デュアル文庫)

と言う劇場公開版の2つがあります。

で、原作小説はベルトーチカ・チルドレンの後の話なのですが、30年の時を経て映像化された今作はハイ・ストリーマーの後の話になります。

大きな違いは、逆襲のシャアでクェス・パラヤと言うハサウェイが恋する女の子が出てくるんですが、ジオン軍に出奔して最後、ベルトーチカではハサウェイの誤射で、ハイ・ストリーマーではチェーン・アギ(ハイ・ストリーマーの主要登場人物)によって、死亡します。

劇中でハサウェイが昔を回想するのですが、そのシーンではチェーンが出てくるし、クェスの死亡シーンも描かれているので、ハイ・ストリーマーなのは間違いです。

ハサウェイの動機が弱くないか

閃光のハサウェイでハサウェイはマフティー・ナビーユ・エリンと言う反連邦組織のリーダーであるマフティー・ナビーユ・エリンになっています。

マフティーはテロ組織です。

原作ではクェスを自分の手で殺した事で鬱になり、その治療の過程でクワック・サルヴァーと言うマフティーを創設した人と出会ってマフティーになるのですが、ハイ・ストリーマーの後だと、クェスはチェーンの手で殺されます。

まぁチェーンをハサウェイは殺しちゃうんですけど、やっぱ命を懸けて恋した相手を自分の手で殺したのと、そうでは無いのではだいぶ心情的に違うと思うんですよね。

好きな人を自分で殺してしまったやるせなさや虚しさなどを経た結果、劇中で知り合うギギと言う女の子に指摘されますが「正しくない」やり方に傾倒してしまう。

そこが閃光のハサウェイの肝だったと原作小説を読んでいた時、感じていました。

ハイ・ストリーマーはベルトーチカと違ってハサウェイの目にも希望を感じさせるストーリーなので、そんな経験をした人が人がテロに傾倒するのかな。

映像すごいし登場人物は魅力的

ハサウェイの動機については若干の不満を抱えていますが、映像は文句なしに素晴らしい。

「機動戦士ガンダム ユニコーン」で現代の技術に感動しましたが、それを経てさらに進化しています。

アニメらしい絵にも拘わらず自分の目で見ているかの様なリアリティーを感じる。

アニメもちゃんと進化し続けていますね。

特にマフティーの強襲を受ける中、ギギを連れて町中を逃げ回るハサウェイのシーンは圧巻でした。

 

そして、クェスを思わせる危なげな雰囲気を持つ少女、ギギ・アンダルシア。

マフティを捉えるため連邦政府より遣わされた、ケネス・スレッグ。

その他、小説の中の人物たちが本当に生き生き魅力的に描かれています。

原作小説を読んでいた時はギギにあんまり魅力的な感じを受けていなかったのですが、今作でとっても魅力的だったと思われました。

小鳥のように自由に動き回る無邪気さとたまに見せる鋭い考察。

また原作を読んでいた時は人情味に厚い人物に見えていたケネスの、冷徹な軍人としての顔。

原作では私が感じきれなかった登場人物の魅力を、映像として再認識させる素晴らしい描写でした。

 

全3部作の第1部ではありますが、今後の2部に大いに期待させる素晴らしい映画でした。

 

ガンダム好きなので大いに偏った意見であるのはそっと置いてください。