※ネタバレあり
「ぼぎわんが、来る」が面白かったので、そのまま次作も勢いで読みました。
オカルト雑誌の編集部でアルバイトしている藤間は担当しているライター湯水と連絡が取れなくなる。
編集部のもう一人のアルバイト岩間君と湯水の家を訪ねるが、そこで湯水の変死体を発見する。
その際に岩間は湯水の原稿を持ち帰っていたようで、後日、藤間はその原稿コピーを渡され読むように言われる。
そして藤間が原稿を読み始めてから怪異に巻き込まれる。
正直、ホラーかと言われるとそうでもない気がする。
「ぼぎわんが、来る」で映画はホラーが舞台装置でと言ったが、それ以上にこちらはホラーが舞台装置でやってる事はミステリー小説だ。
こう言う書き方すると批判してるように見えるかも知れないが、面白いか面白くないかって話で言えば、めちゃくちゃ面白かった。
最近は小説を読んでなかった身でなんだが、久々に小説読んで「やられたー」と言う気持ちにされた。
すごい技巧を駆使して書かれている。
大概、そう言う小説は鼻につくものが多いのだが、本当に巧みで嫌な感じは全くなかった。
デビュー2作目がこれだと思うと末恐ろしい。
ただ、結末についてだが結構大量に無関係な人が亡くなるのはどうなのだろう。
きっと未練を残して亡くなったろうにと思うと化けて出るんではないかと思ってしまう。
また、最後に藤間も怪しい雰囲気を醸し出していて、澤村伊智が好きと公言する三津田信三っぽい感じを狙ったのだろうが、怪しさが足りなくてちょっと気になってしまった。
私としてはとっても楽しめた作品だが、がちがちのホラー小説が読みたいみたいな人にはあまりお勧め出来ないかも。
むしろホラー小説が普段は読めないみたいな人にいいかと思う。