飛ばない豚

主に読書について書いています。

読書感想「論理学 考える技術の初歩」勉強が苦手な人はいちど読むと良い

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論理学 考える技術の初歩 (講談社学術文庫)

久々の読書感想文です。

 

いわゆる論理学の本ではなくて、どっちかって言うと学習の指南書みたいな感じでした。

もともとはロジカルシンキングとかが最近流行っていて、そういうのに影響を受けた人の言ってる事がいまいち腑に落ちない事が多いため、一度その手の本を読みたいと探していて見つけました。

ロジカルシンキングとは全然違うのはわかったけどさらっと読んだら面白かったので選びました。

 

ロジカルシンキングの本を探していたはずなのに論理学の本を探しちゃうあたりは気にしないで下さい。

 

読書の秋! - 飛ばない豚

上記の記事で書いてるように買ったのは去年の秋で一度さらっと読んでいたのだけど、再読ずっとしたくてやっとしたので感想です。

 

 

エディエンヌ・ボノ・ド・コンディヤック

詳しくはwikiでも読んで下さい。 

エティエンヌ・ボノ・ドゥ・コンディヤック - Wikipedia

18世紀フランスの哲学者でジョン・ロックの経験的認識論に影響を受けた人です。

日本ではあんまり研究している人がいないみたいです。

 

とにかく分析が大事

この本はポーランド国民教育委員会の要請を受けて論理学の初等教科書として執筆されたそうです。

この本は何かの知識を獲るために必要な手段について書かれています。

とにかく全編を通して最も重要視されているのは分析です。

最初から最後までずっと出てきます。

 

観察をして物事を分解し、分解したそれぞれの関係性を明らかにして再構成する。

この事を分析としています。

 

推論するのに想像が入り込む余地はない

コンディヤックが聡明だなと感じさせるのは、真にわからない事については考えない。

想像して間を埋めるような事はしてはいけない。

想像が入り込む事によって人は間違うというところだと思います。

 

わからない事を埋めるため推論するのに必要なのは物事を分解してそれをすでに知っている事に置き換えていき、試してみて間違っていたら更に別の事に置き換えて行くことであって、そこに想像が張り込む余地はありません。

 

想像で間を埋めることは一見すると考えているように見えますが、観察して分解して置き換えて再構築して行くと言う作業をはっしょっているだけでサボりに過ぎません。

 

ここが私自身、今までかなり間違った手法で学習していたんだなと痛烈に思い知らされました。

 

わからない事はわからない

わからない事を想像で埋めてはいけないので、真にわからない事はわからないままにしておく事が大事です。

 

私はというかほとんどの人は他の人の気持ちがわからなくて悩む事は多いと思います。

それこそ一晩も二晩もって言うかもっと。

でも、論理学を読んで思うことは相手を観察して分解して、例えば行動心理学などに照らし合わせて推論する事は可能ですが本心を知ることは出来ないので、その事について悩むのは無駄なんだなという事です。

 

調査したことはないのであれですが、私の知ってる範囲でなんか仏教思想とも通じるところがあるなぁと思ってしまいました。

 

古典を読むたびに人間の進化について考えさせられる

いわゆる生物的進化ではありませんが、18世紀にはすでにこんな考え方が書物として残されているのに、現代もこの本に書かれている事が私も含めほとんど実践されているようには見えません。

 

セネカの「人生の短さについて」(これは2000年くらい前です)など古典(18世紀だと古典というのもおかしいですが、古いって意味でね)を読むたびにずっと前に人類はいろんな事にしっかりと答えをだしているのに、未だ同じような事に悩み続けていてなんか本当に進化しているのかなぁと考えさせられてしまいます。

 

ただ「論理学 考える技術の初歩」を訳されている山口裕之さんの記述や他のコンディヤックについて言及されている方の記述を見るとちゃんと考えが洗練されているように思えるので、一部はしっかり進んでいるとも感じさせられますが。

 

訳が素晴らしい

ネットの感想を読むと訳が直訳過ぎて読みづらいと言う意見がたたありますが、この手の本に訳者の思考が入り込むと正確に物事が伝わらなくなるので、このままで素晴らしい訳だと思います。

 

直訳と言ってもIBMの日本語訳資料のように本当に機械的に直訳したわけではなく、最低限わかりやすく、難解だと思われる部分や誤解されそうな部分に関しては丁寧な解説も付けられています。

 

なんなら小学校の高学年か中学校くらいでこの本を読む授業をやったほうが良いんじゃないかと思いますが、これ以上の訳を望むならその時くらいじゃないでしょうか。

 

この本に書かれている事を自然と実践出来ている人以外は一度は読むことをおすすめしたい良い本でした。

 特に受験勉強を始める前、勉強が苦手だなと感じている人は必読かと。

 

論理学 考える技術の初歩 (講談社学術文庫)

論理学 考える技術の初歩 (講談社学術文庫)

 

 

人生の短さについて 他2篇 (古典新訳文庫)

人生の短さについて 他2篇 (古典新訳文庫)

 

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