いい歳してどうかと思うとか言われそうだが、通勤中にまとめサイトを見ていたら「嫌われる勇気」を読んで、職場の飲み会断りまくったら意地悪された的な記事があった。
そう言えば前々から嫌われる勇気を読もう読もうと思っていたので、Audibleでコインが余っていたのでとりあえず読んで(聴いて)みました。
岸見一郎さん
著者は岸見一郎さんと古賀史健さん。
岸見一郎さんは以前、100de名著でアドラーの回があって拝見して以来、youtubeを見たりしています。
おっしゃってる事に一貫性もあるし、カウンセリングしているだけあって落ち着いた感じの話かたで好感がもてます。
余談ですが、100de名著と言えば伊集院光さんがMCです。
伊集院光さんは昔は「Oh!デカナイト」聞いてたりしてたんですけど、テレビに良く出るようになったら、日和った事を言うので私の中で評価が勝手に下がっていたのだが100de名著を見ていると、時たますごく鋭い事を言ったり、伊集院さんなりに解釈してわかりやすく説明してくれるのでやっぱりすごい人だなぁと思ったりします。
Audibleで聴くの長い
何気に何かの作業中に聴き流せるからと思ってAudibleにしたのですが、6時間くらいあってとにかく長い。
ワーキングメモリーが足りないので、もう聴いてるはしからどんどん内容を忘れてしまうのである。
1.2倍速で聴いても長い。だいぶ聴き疲れしたなと思っても、これだけしか進んでないのってくらい長い。
「銃・病原菌・鉄」の上下巻も買っているのだけど、これよりはるかに長いのにどうなるんだろう。
結局、あれなんだっけってなった時に戻るの大変だしやっぱ紙が良いんだなぁと思ってしまった。
東工大の柳瀬博一さんのリベラルアーツ入門が1エピソード1時間くらいなので耳で聴くのはこれくらいがちょうどいいのではないだろうか。
幸せ=他者貢献
アドラー心理学で重要な要素に幸せ=他者貢献って話がありますが、100年前にこれを提唱してたアドラーってやっぱすごいですよね。
ふわっとしすぎで申し訳ないですが、最近、心理学の研究でも最も幸福度が高くなる行為は他者貢献だって話があった気が。
他者貢献って言うとどうしても見返り求めちゃいますけど、見返り求めないって話もほんと納得。
今に生きる
作中で書かれていますがアドラー心理学ってギリシア哲学にすごい影響を受けているとの事ですが、未来も過去も自分の力ではどうにもならないから、今に集中しようと言うのは仏教から来てるんじゃないだろうか。
いわゆる瞑想と同じ思想ですよね。
そう考えるとアドラー心理学って100年くらいまえに考え付いたなんてめちゃすごい。
って思ったけど2000年以上前に考え付いた仏教ってすごいですよね。
仏陀の「ダンマパダ」とかセネカの「人生の短さについて」とかプラトンの「対話篇」とか、2000年以上前の話ですけどたぶん今の人が悩んでる事の答えはもう出てて、人間ってすごいなとか、逆に2000年も同じようなことで悩み続けてると思うと進化しないなぁとか考えるのはとっても楽しいです。
読み解くのはめちゃくちゃ難儀ですが、やっぱり古典ってそれだけの間、残っているだけあって素晴らしいものばかりですよね。
私も結構、ビジネス書だの自己啓発本だのに手を出しますが、人生の悩みに答えをだしたいならそんなの読む時間あったら岩波文庫でもひたすら読んでた方がずっと有用なのではないだろうか。
まぁ他人事ではないですが、自己啓発本とかに流れちゃう人は腰を据えて古典を読むなんて出来ないんだろうけど。
本当はわからないながら、高校生とか大学生とか時間が取れる時に読んどくと良いんだろうと思います。
対話形式は良かったのかどうなのか
好みの話なんですけど、本書は「対話篇」をオマージュするために対話形式にしたんだろうけど、対話形式にしたのはどうなんだろう。
対話形式にするとどうしても登場人物に感情移入できないといまいち内容が入ってこない気がするだが、青年にも先生にもいまいち感情移入出来なかったです。
まぁほかの人のレビュー読むと青年と自分を重ねてる人が多数いるので、たまたま私に合わなかっただけでしょうか。
青年はとにかく中二病がすぎるというか、気持ち悪いくらい自己顕示欲まみれなあげくに、満たされなくて心がひねくれていて、傲慢。
自分の人生うまくいかないみたいな事を作中でも言ってるんですが、そりゃそうでしょう。
つかもう自暴自棄になって迷惑な犯罪を犯す手前くらいの雰囲気が。
私もそれなりに斜に構えて世の中見てると思いますが、ここまでやばいのはそうそう見ない。
先生はもうアドラー心理学マスターなので、マスターしてない私からしたらちょっと雲の上な感じだし。
まぁただ私が合わなかっただけの可能性も十分に考えられるので、読んでない人は読んでみると良いかと思います。